2025年08月

8/10浜松町SB(SHOPPER&BREEDERS)にお越しいただきた方々、大変ありがとうございました。今回も沢山の方にお越しいただき、非常に楽しいイベントとなりました。


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さて、7/20に開催されたインセクトポート東京や、先日のSBでは、極彩色は性懲りも無くひたすらニジイロクワガタを持っていったわけだが、その際お越しいただいた方々が口を揃えて「デカイ!!」と言って下さった。それは66mmの巨躯紫紺グリーンピカールと66.5mmのレッド個体に対してだ。「どうしたらデカく育てられますか!?!?」と何度も質問を受けた。


どうしたらデカく育てられるかはまだまだ技術的に未熟なので一旦置いておいて(66mmはデカいかもしれないが、レコードはあと5mmもデカい)、大型個体を羽化させたり狙った色を作出するのには、コントロール出来ることと出来ないことを考えるべきだと僕は考えている。


どうしたら大きく育つだろうか?ブリーダーのやれることは何だろう…と考える。それは、栄養価の高いマットや菌糸を用意することかもしれない。低い温度帯をキープしてじっくり成長させることかもしれない。大型の親を使うことかもしれないし、トイレの掃除をすることかもしれない。


だが、ブリーダーがどれだけ考えて手をかけようとも、幼虫が育つかどうかは幼虫次第である。どれだけ熟考を重ねた最高の環境を提供しても、大きく育つかは幼虫の気分(?)次第である。幼虫の気分をブリーダーが変えることは(多分)不可能だ。ではどうするか?幼虫に「今の生育環境はどうですか?よい 普通 わるい」のアンケートを取れれば話は早いが、それは(多分)無理だ。



結局のところ、ブリーダーはブリーダーがコントロール出来ることしか出来ないのである。どのような環境を作れば幼虫は大きく成長する傾向にあるのかを、何パターンも試していくことしかブリーダーには出来ないのだ。時間も手間も労力も金もかかるかもしれないし、それらがまるっきり徒労になるかもしれないが、それしか出来ないのだ(真冬にボトルを何百本も洗わねばならんのだ)。


土を詰め続けろ。これは自分の戒めである。今日ようやく2箱詰められた。暑さもあって1箱で参ってしまう自分が嫌になる。「何やってんだろう俺」と冷静になることもある。明日はボトルを洗って3箱分詰める。来年の春頃に大きく育った成虫の羽化を拝むために今日詰める。それしか出来ないのだ。


























いいから詰めろ!!!

青紋の形質を紫紺の個体に付与したパターンを、僕とブリーダー仲間の間では「青紋紫紺」と定義している。先程ブリードルームで羽化してきていた青紋紫紺個体を掘り出していて、今年から来年にかけて種親となるオスを選んだ。

青紋紫紺と一括りに言っても外見に現れる色パターンには個体差があるので、今回はそのうちの3パターンを紹介する。



パターンA
上翅全体が紫紺で、表面に青色が乗るパターン。ブリード仲間は「完全体」と呼んでいる。色味は紫紺(青系)の上翅に乗る青みと似ているが、前胸部パターンAのほうが暗く濃いつや消し紫になり、上翅はざらついていて、土が付きやすい。また、縦シワがある場合もある。青紋個体の、いわゆる青色の紋は確認するのが難しいが、前胸部の色みや上翅の質感には青紋個体と共通する特徴が見られる。
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パターンB
上翅に紫、青、緑が点々と乗るパターン。青紋個体に乗る赤が紫に取って代わったようなもので、赤色は確認できない。青紋っぽさがわかりやすく、このパターンは縦シワが出やすい印象(特にメス)。このオスのかけあわせは青紋紫紺(パターンA)と青紋ホワイトアイの1代目で、ヘテロホワイトアイになる。紫の面積の広さには個体差があり、各色の境界がはっきりしている。
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パターンC
この個体は一見すると、青面積の広いただの青紋のように見えるが、上翅下部に紫が乗っている。このパターンがほぼ青一色に見えるのは、上翅の色の境界線が曖昧なためではないかと思われる。

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以上が当方の羽化個体で確認した3パターン。当初は以下の個体も含め4パターンに分類してみたが、下の個体はパターンCに近い気がする。

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ざっくり言うと
パターンA→紫紺(青系)のようなほぼ単色
パターンB→青紋の赤色が紫に置き代わった
パターンC→各色の境界線が曖昧

といった感じ。他にももっとあるかも知れないが、青紋紫紺は飼育歴がまだ浅く、わからないことも多い。今期はこの3パターン同士のインライン、異パターンのアウトライン等作って子の変異を調べる予定。



12/13追記
2025年は
パターンA、B、Cのインライン、
パターンA×パターンB、
パターンA×青紋
パターンA×紫紺ヘテロ青紋
パターンBのヘテロホワイトアイ×青紋ホワイトアイ
など、様々な組み合わせを行った。総じて感じたのは、大歯型の不全率がほぼ100%だったこと。短歯型は普通に羽化する(青紋特有の縦シワはあれど)が、体重が乗った大きめな個体はほとんど激しい翅パカになった。ニジイロ仲間いわく「血がまだ安定していない」からだと言う。青紋としての不全率は低いが、紫紺が入ると不全しやすくなるのは、まだ血が安定しておらず、不全になる。

逆に青紋ホワイトアイは二重劣勢遺伝子を持っているが、60mmを優に超える完品が普通に羽化した。これも当初は不全ばかりだったのではないか?

青紋紫紺も、不全しなかった個体のインブリードを続けていったら、やがて大歯型も完品が羽化してくるのではないかと思う。

青紋、面白い。

ホワイトアイがレッドや紫紺にも付与出来るように、青紋もレッドや紫紺に付与出来る。ただしピカールとは相性が悪く、青紋遺伝子が顕在化すると前胸部の光沢は失われる。「青紋ピカール」というポストの99.9%は青紋ピカールではない(例外として、凄まじいブリーダーさんが作り出していた本物を2度ほど見た)。狙って羽化させるのも難しいものなのだ。

が、僕のニジイロ仲間はこれを克服しようと頑張っている。少なくとも、4世代の厳選は必要な過酷な道だ。

これは大人気のピカール(僕も大好き)にはない面白みである。今年かけあわせたレッド青紋×青紋紫紺の子はどんな色味で出てくるんだろう?楽しみだ。

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