2019年09月

TwitterやInstagramを見ていると、
「飼育下の故意的な交雑」に過剰になっている人は一定数いるように思います。
そしてそれは日本人だけではありません。
ドイツ人と議論したこともありました。


「交雑種が自然に放たれては、純血種がいなくなってしまう」
と言う方がたまにいますが、一度考えてみて下さい。
それはどう考えても放った奴が悪いです。
交雑純血日本海外問わず、飼育下に置かれた個体を放つ事に問題があります。

また飼育においても、「交雑種が流通したら、純血種が淘汰されてしまう」
という意見もありますが、これは「交雑種を純血種と偽って売る奴」が悪いと思いませんか?

そういうリテラシーの低い人に問題があるのであって、交雑種には何の害もありません。



ヤフオクにもいるでしょう。
ウエストウッドシカクワの幼虫をやたら大量に出品する人、サタンの♀としてネプチューンの♀売る人、サタンの幼虫として国産カブトの幼虫を売る人。

そしてそれを買ってしまう人…。
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↑出品者は蒸発していた。


Twitterで頻繁に見かけます。
「羽化させたら全然違かった」ツイートを見る度に私は悲しくなります。

最近では、「この出品者怪しいから止めとけよ!」というツイートも見かけることが増えましたが、

そんなツイートがあっても入札はあるんですよね。それもそこそこの価格で。

過去のウエストウッドの怪しい出品では、幼虫4頭に2万円以上の値段がついていました。

高級種はずっと前から詐欺の対象になっていて、未だに別種を偽って売る人がいます。



そのような詐欺がいつまでも横行するのはどうしてでしょう?



買う人がいるからです。

つまり売る人はもちろんですが、買う人も悪いんです。
しかも買う人は相手を信用して買うから尚更タチが悪いです。

明らかに相場より安い、出品者が出品個体に関して詳しくない、質問に曖昧な、ネットで拾ったような情報しか返答してこない。

このような人を信用してしまう人もリテラシーが低いんです。

Twitterで「詐欺出品に騙された!ふざけんな!」というようなツイートに対し、同情するようなコメントが寄せられているのをよく見かけます。


悔しいのは分かります。しかし、
あなたが騙されたせいで詐欺師が儲かるので詐欺師が減らないのです。

この事実に気づいてください。
騙された人も騙す方も同様に悪いです。


最後に。
交雑種が蔓延するのも詐欺が蔓延するのも、結局は
本物かそうでないか判断できない(リテラシーの低い)人が原因となっています。

なので、知らないうちに自分が交雑や詐欺を蔓延させないように、

・高額種を購入する時は、個人であれショップであれ疑ってみる

・徹底的に質問してみる(信用のある方であれば詳しく教えて下さるはずです。)

・詳しい人にジャッジしてもらう

・評価をアテにしない(重要)!!


そして、
怪しい出品者情報はSNSで共有する。

購入してすぐに偽物と気づけることは少ないので、ヤフオクでの評価はアテになりません。

売る側は偽らず、買う側は疑い、怪しい出品は皆で共有する。

そうやって詐欺偽りを撲滅させて、交雑種も純血種も、この飼育界隈を盛り上げて行きましょうよ。

前回頭20mm超えの3齢初期幼虫を紹介したのがこのラインです。
ロット①(6月初旬孵化)の個体が3齢になりたてくらいの時期だと思ったので、♂♀関係なく、一頭づつパンやさんに移しました。

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ロット①は全部で9頭、
♂×5、♀×3、不明×1(2齢後期)でした。

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♂5頭のうち、2頭が頭幅20mm超えで、
全て17mm以上ありました。
今までの最高頭幅が18.5mmなので、19mmをすっ飛ばして記録更新です。
♀の頭幅は全て16mm以上でした。

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頭幅20mm超えの♂、16.5mmの♀(左)との比較。
脱皮して間もないのかまだ若干頭が赤いです。

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MICHEは写真左。胸角は横に太く、縦に細い(薄い)ため2回折れていますが、胸角突起の張り出し、ボディの小ささがはっきりとわかるかと思います。

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♀スペック
・サイズ:74mm(AOUB×RUOGN-FF)
・前胸幅:31.3mm
・前胸長:23.0mm
・上翅幅:38.0mm

♂スペック

・サイズ:145.0(150.0)mm

・胸角長:96.7(101.7)mm

・胸角率:66.0(67.8)%

・胸角突起前:11.3mm

・前胸幅:35.5mm

・胸角占有率:31.8%

  ()内の値は、角曲がりでなかった場合の数値です。タラレバってやつです。笑


胸角率67%超え(仮)と胸角占有率約32%で、数値的には一番理想に近い個体です。

要は、角が長いため還元率がよく、前胸幅が小さいので角が太く見えやすいということになります。


今の前胸幅で胸角突起前が仮に13mmだとすると、

36.6%

となります。さすがに高すぎますかね。笑

理想は35%くらいで、ボディの幅は広がらず、

胸角の太さとサイズに伸びて欲しい

という強欲な飼い主に応えてくれる個体はいるのでしょうか…。

Twitterでよく見かける「頭幅20mm」級の幼虫。
当所でも発掘しました…。

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どん。
凄まじい頭の存在感です。

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去年末~今まで少なくても300頭の3齢幼虫を見ましたが、明らかな異変のレベルで頭がデカい。

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♀16.5mmとの比較

測ると20.69mmありました。
脱皮直後なので少し縮むことを考慮しても19mm後半くらいですかね。
当所では、
17mm後半で大きめ、18mm以上で期待度大
くらいの感覚だったので、
モンスターを生み出してしまったくらいの衝撃でした。

ラインはMICHE×23A

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この♂親(MICHE)の特異な点は、角曲がりの145mmで胸角率が66.6%あるというところ。
角曲がりがもし伸びていれば、あと5mmは大きかったでしょう。
角曲がり無しで150mmだった場合の胸角率は、
何と67.8%
150mmという小型で67.8%を占め、かつ突起前は
11.3mm
と細くありません。


♀親はchaserさんの
23Aライン(AOUB×RUOGN-FF)
です。

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上の個体は17Aライン(RUOGN-FF×AOUB)
なので、♂♀のラインが反対です。

MICHEは無血統でしたので、やはり♀の遺伝子が強力なのだと思います。
♀の爆発力に、♂の胸角率とボディの小ささを兼ね備えたような個体を期待します。
頭幅20mmはさすがに完品羽化しないとは思いますが、どんなモンスターが生まれるのかはとても興味深いです。

世界一のハナムグリである
ゴライアスオオツノハナムグリ
の次に大きくなる本種、
クビワオオツノハナムグリ
の亜種ウガンデンシスです。
前回繭玉を作っている個体を確認したので、掘り出してみました。

もはや出土ですね。

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ごろごろ。
20体の出土を確認。

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こちらは♂の蛹ですね。ポロっと出てきました。
マットの水気が多く、繭玉が壊れやすかったのでしょう。
ハナムグリ亜科の繭玉形成時のマットは、
気持ち水分量少なめで、粒子が細すぎないようにしてあげると丈夫な繭玉を作れるかと思います。

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色が浮いてきているので羽化が近いのでしょう。
既に腕のギザギザはハッキリと見えます。
角は曲がって羽化し、少しづつ伸びていきます。

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!?
掘り出し中に成虫になっている個体もいました。

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!?
またもや羽化していそうな個体が出土。
前胸部の深い青、これは……
ざわ…

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!!!
よい!よいよ!!
紫寄りの濃青で、紫のウィングも◎。
67mmと小型ですが、色がよいのでよし。

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でもって裏の青味がまたいい味出してます。
一番のこだわりは…裏地だよ(?)
力はそんなにありませんが、爪がかなり細いため皮膚に食いこみます。
「痛かゆい」という地獄。
ただひたすら「痛い」ゾウカブトやヘラクレスよりタチが悪い苦しみです。

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カブトにもカナブンにもここまで前脚のイカつい物を見たことがありません。
頭部にはビロード状の毛、そしてポコっとくっついた目が特徴的です。
どことなくヤギ。

ちなみに大きさの比較はこんな感じ。

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繭玉馬鹿でかいんですよね。

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幼虫もヘラクレスの3齢初期くらいの大きさあります。
ただ気門(呼吸する赤い点)の下の、ポコポコとしている部分が柔らかいので、ヘラクレスよりも触り心地はいいです。あと噛んできません。
ヘラクレスは噛まれると出血モノなので(本日経験)優しいウガンちゃんのほうが私は好きです。

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最後は出土品を並べて保管。
下に敷くマットは少し乾燥気味で、湿度を下げるのと繭玉が転がるのを防ぐ働きがあります。

さあ、羽化ラッシュが楽しみですね。

ごちゃごちゃ。
ヘラクレスとゾウカブト、カナブンの幼虫でえらいこっちゃ状態のブリーディングルームです。

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どんどん孵化する幼虫に、ひたすら容器を買い足しては詰めを繰り返した結果…
何がどこに何頭いるか全く把握出来てないという事態に。こりゃまずい。

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今までは孵化した時期ごとにまとめていましたが、それだと数が把握しにくいので血統ごとに分けるスタイルでいきます。
数が多いので整頓しても直ぐにこうなっちゃいます…

お次はアフターです。

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アフター①ひとまずセンターにある150cm、180cmの棚の底のスペースを増やしました。
前はここのスペースが狭くて掃除が出来なかったので、ゴミやコナダニが溜まりまくってました(爆)

棚を最上段から合わせていき、10cm程のスペースを確保しました。これで雑巾が入ります。
幼虫管理にメタルラックを使用する予定の方は、最下段に手が入る程のスペースを作ることをおすすめします。
キャスターという手もありますが、みっちりケースを詰めると、床にかなりの圧力がかかると思います。

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アフター②棚を追加しました。
今回は150cm×45cm×210cmで、棚一段ごとにパンやさんを置くように特化させました。
全てパンやさんで満たすなら、18個×10段で180個入ります。小プラケならば積み重ねれば11段いけます。
積み重ねると通気を確保出来ないことがパンやさんの唯一の欠点ですね。
棚板11枚買う所を10枚しか買わず、下にスペースが出来てしまいました。

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最下段はひとまず卵管理スペースに。

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光が阻害されて暗くなりました。
新しいガレージには各所にライトを付ける必要ありですね。

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センター棚最下段は主にMegasoma属が主体です。
ラベルがきれたせいで、即席の粗末な紙で対応しているのでまた大量に刷る必要ありです。

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センター棚最下段

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センター棚二段目

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センター棚三段目

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こちらは120×150の小さめな棚。
RUOGN×FF-AOUB(167mm)の子で埋まる予定です。

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今は自室を使用して幼虫管理をしていますが、
家の畑にブリーディングガレージを建ててもいい(もう家で飼うなよ!!!!)というお許しが出たので、現在設計&貯金中です。

我が所(笑)でのヘラクレス羽化ラッシュの見込みは一年後なので、ひたすら幼虫がいるだけであまり盛り上がりません。

なのでこういう作業が一番楽しいんですよね。笑


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